辛い恋の効用
全ての恋愛が幸せにつながるとは限りません。愛とは甘いだけでなく、実はとっても重いもの。人間同士の関係性ですから、単純でキラキラした美しいものだけでできているということはありませんね。
では、辛いだけの恋は全く無駄な努力なのでしょうか。できれば避けた方がいい、ダメなこと?
いえいえ、そんなことはありません。辛い恋にもちゃんと効用があるんです。
【辛い恋は、感情の幅を広げてくれる】
経験のある人は分かると思いますが、辛い恋をすると苦しくて悲しくて、でもちょっとしたことでも嬉しかったり感動したりしてすぐに泣きます。いつもより感情の振れ幅が大きくて敏感になっているんですね。傍から見ればちょっと「イタい子」ですが、人に迷惑をかけなければ何の問題ありません。
感情とは人間の醍醐味のようなもので、味わったことのある感情が、その人の深みをつくります。転んで痛い思いをしたことがあれば、誰かが転んだのを見て「ああ、痛いだろうな」と分かりますが、転んだことがなければどんな気持ちになるか分かりません。
「転んだら痛いんだよ」と教えてもらっても、痛い思いをしたことがなければ「痛さ」を想像するのは難しいでしょう。言葉で細かく説明してもらって想像したとしても「実際の痛み」をちゃんと想像することができると思いますか?
もし転んだ経験がなくても「苦しい経験」や「悲しい経験」が多くあれば、痛みのようなものを想像できるかもしれません。そうやって人と人はコミュニケーションを取っていくのです。恋をして辛い気持ちになったことのある人は、同じ思いをしている人に優しくできるだろうし、恋そのものを大切にできます。
恋の辛さは優しさに変えることができる。だからひねくれたりしないで、「人として成長するために学んでいるんだ」と前向きな気持ちで向き合いましょう。
【辛い恋は、恋の経験値を上げる】
恋をして、最終的には幸せになりたいですよね。じゃあ、どうなったら幸せだと感じられるのでしょうか。自分がどんな恋愛を望んでいるのかなんて、初めのうちは分かりませんよね。誰だって手探りで始めているのですから。
人は失敗から多くのことを学びます。成功体験はあなたを真っ直ぐ健やかにしてくれるでしょう。でももし辛い恋を知らず全てが順調に進んでいったとき、なぜか人は途中で不安を感じ始めます。本当にこのままでいいのだろうか、と悩み始めてしまうのです。
世の中が美しいものだけでできているのならば、そんな素晴らしいことはありません。苦しいことなど1ミリも感じずに生きていけるのならば、それに優ることはありません。でもわたしは、この世界が不条理に満ちた不完全な世界だと考えています。
辛い恋で自分を必要以上に痛めつける必要はもちろんありません。耐えられないと思ったらいつだって逃げ出していいんです。でも人生は、思い通りにいくことばかりではありません。完璧ではないこの世界で、それでも楽しいことや美しいものを信じて集めて味わって生きていくことが、わたしたちにできる精一杯の幸せへの道だと思うのです。
辛い恋の経験は、あなたが豊かで実のある人生を生きるための、ひとつの大切なスパイスになってくれるでしょう。傷付きたくないからと片端から避けてしまうのではなく、たまにはこれもひとつの経験と思ってぶつかってみませんか。あなたの中で何かが変わるかもしれませんよ。
あ。でも、できれば逃げ道はちゃんと用意しておいてくださいね。辛い恋もほどほどに。
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