自分を知り、心の奥にある望みを知ることから始める
わたしたちは毎日変化しています。同じままでいることはありません。子供のころに習った『平家物語』の冒頭は覚えていますか? 大人になって読み返すと想像以上に響くので、機会があったらぜひ一度、手に取ってみてくださいね。
わたしたちは常に移動しています。立っている場所をきちんと把握しているつもりでも、知らぬまに動いているいることがあります。自分では動いていないつもりでも、周りが動けばそこは以前と同じ場所ではありません。
そのような中で心の調子を整えるには、常日頃から「今自分がどこにいるのか」を確認することが大切です。自分が変化したことで望みが変わることを、優柔不断と一緒にしてはいけません。変わってしまうことを恐れ、手持ちの望みに執着していると、疲労はどんどん溜まります。強張った心は、サッと手放してしまうのが一番。まずは自分の立っている位置を再確認して、変化のサインを見逃さないようにしてくださいね。
「自分を知る」
自己分析は、就職活動の際に使う便利なツールではありません。自己分析とは、自分を知ること。いつだって自分のことを知りたいときには、自己分析が役に立つのです。どの道を行けばいいのか迷ったとき、自分がどこを歩いているのか分からなくなたとき、自己分析が未来を照らす光になります。
何も難しいことをする必要はありません。分析にはたくさんの方法がありますし、どの方法を取っても構わないのです。自分に合った方法を探して色々試すことも、ある意味一つの分析になりますよね。
ワークシートタイプの質問に答える形式でもいいですし、エニアグラムなどの診断ツールを使ってもいいでしょう。まっさらな紙にただ思いを書いていくだけでもいいですし、過去を振り返ってターニングポイントを探るのもいいですよね。わたしは「好きなこと・好きじゃないこと」を、紙に書き出していくのが好きでした。
自己分析は、出てきた答えを深堀りしていく方法がおすすめです。書き出したものをグループ分けしたり、書き出された答えに対して「なぜそう思うのか」といった質問を加えていくと効果的です。
「奥にある望みを知ること」
人は、自分の望みになかなか素直になることができません。忙しければ後回し、人前に出しても恥ずかしくない望みじゃないと受け入れることはできないし、他人の望みを見るとそっちの方が正しいような気がして不安になります。表面的な望みを本当の望みだと思い込み、俗物であることに偏った優越感を持つ人もいます。
自分が本当は何を望んでいるのか。
これほどあなたにとって重要なことはありません。これが分からなければ、どの道を進んでも間違った気持ちになるからです。何かを達成しても満足できないのは、達成することを間違えているからかもしれません。
しかし、ここで一つ注意することがあります。望みを知ることは、「望んでいるものを今すぐ手に入れなさい」ということではありません。得ることに重きを置くのではなく、望んでいる自分を知ることに注目してください。自分はこんなことを思っていたんだ、こんな希望があったんだということに気がついてあげましょう。
それはときに恥ずかしいことかもしれません。自分の生活に合わないことかもしれません。でもそれが本来の望みであるのなら、まずはその存在を認めてあげてください。手に入れるのか入れないのかは、また別の問題です。奥に隠しているだけでは永遠に消化不良が続き、どんどんと水分を失って頑なになります。まるで心の便秘ですね。
「心の安定を軽視しないこと」
心が疲れなくなれば、楽に自然に呼吸ができるようになります。今ここで生きているということは、それだけで価値あることです。自分を追い詰めるような生活は、どこにもつながることはないでしょう。
まずは思い切って、自分を知ることから始めてみてください。一人でこっそり素直になれば良いのです。わざと自分を卑下することも、「ありえない」と否定することもやめましょう。表面的な答えには、最後まで「なぜそう思うのか」と質問を重ねて下さい。心の平穏は、ある程度自分でつくり、管理することができます。
心を整えることの大切さを知り、自分から幸せを広めましょう。自分が変われば世界が大きく変わるのです。