それでも世界は美しいと言いたい。

好きなものに囲まれたシンプルな生き方を

元気が出る言葉を探している人におすすめの本

元気が出ないときの気分転換に読書はおすすめなのですが、何を読んだらいいのか分からないという人もけっこういるようなので、思いついたときはおすすめの本を紹介したいと思っています。


ただ本との相性というのは確実にあって、みんなが面白いと思う本を読んだら絶対に面白いかと言われると、そんなことは全くないので、とりあえず感想に関しては自分を信じてください。たとえ誰に何を言われようとも。


そして、わたしの言う「おすすめ」もあくまで個人的な感想です。作品から得た感想というのは必ず「個人のフィルター」を通るものなので、作品そのものとは伝える意味が全く違います。誰の、どのような感想を読むときでもこれは同じです。

 

 

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最後に読んだのがいつだったかは忘れてしまったのですが、このあいだ久し振りに西加奈子さんの『サラバ』を最終巻だけパラパラ再読しました。これはどこかで本人も述べていることだったと記憶しますが、再読でもやはりジョンアーヴィングの色が強いと感じましたし、作品中の会話文からは西さん本人の匂いみたいなものがプンプンするんだけど、それでも『サラバ』は本当にたくさんの、素敵なメッセージに溢れた作品だと思います。メッセージ性が本当に強い。

 


その中で、わたしが特に大切だと感じた視点があります。それは、物語の後半で貴子が主張する、「自分の道を他人に決めさせてはいけないし、他人の道を自分の道だと勘違いしてはいけない」という考え方。


これは、文章の前半も後半もどちらも本当に大切で、貴子は作品中でこれを大きな愛とともに、一生懸命弟の歩に伝えようとします。

 


『サラバ』には他にも強く生きるための指針みたいなのが随所に出てくるんだけど、それはもう一人ひとりが読ん好きなところ、心に響くところを直接探してもらうのがいいと思うんだけど、


この話ね、それなりに打ちのめされている人にとっては結構キツい部分もあるんですよ。人間の弱くてもろくて醜い部分をクローズアップして描くから。ダメなやつのダメな部分を直視するのって何となく物理的に痛い。でも絶対にちゃんと通して最後まで読んだ方がいいです。歯を食いしばってでもね。


あと、本当はそんなに凄いわけでもないのにプライドばっかり高くて自己評価も高い人には、読みやすいから読んで反省してもらいたい。歩くんが、もともとはイケメンだったのにハゲて人間界の地に落ちるっていう、最初から低い位置にいると感じている人間の物語じゃないので感情移入しやすいでしょう。


現在進行で病んでる人は、貴子とか矢田のおばちゃんにどっぷり縋って救われることをおすすめします。

 

 

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小説っていうのは、その回りくどい表現と長さでしか想いを正確に伝えることができないからそうなっているわけで、だからあらすじとか簡単な説明をさらっと読むだけでは伝わらないことがどうしてもたくさんある。むしろあらすじなんてどうだっていいんだと言える最高の小説は山ほどあるしね。


『サラバ』をジョンアーヴィングの二番煎じだと言う人もいるけど、物語の型なんて昔から同じものが何度も使い回されているのが普通だし、わたしは取り立てて言うほどのマイナスの要素ではないと考えてます。オマージュ作品はどうなるんだろうって思うし。そういうことを言う人はオマージュを認めないのかな?


まあでもそれは個人の自由だし、読書は自由だから好きなものだけ読めばいい。好きじゃないなら読まなくたっていい。そんなのは大した問題でもなんでもない。

 

大事なのは、その物語が力を持っているかどうかと、その力が必要な人に届いているかということだけだから。素敵な物語が、必要としているあなたにちゃんと届きますように。

 

 

 

 

 


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